真:戻ったぞ佐助!
佐:おかえり〜
カ:あ、真田さんお帰りなさい。…って、なぜ濡れてるんですか?
真:これはカプ●ン殿、ただいま修練より戻りまいた。ちと水練してきたので床を濡らして相済みませぬ
カ:いえ、それはいいんですが…まさか服着たままプールに入って来たんですか?
真:ぷぅるとは何でござるか?
カ:え?えーと、巨大な水たまりと言いますか…
真:ならば某、そのぷぅるに入って来申した!
佐:ちょっと待って下さい。ダンナ、どんなプールだったの?
真:江戸は人が多くて難儀したのでな、ひとけのない場所を探していたら大きな堀になっているぷぅるを見つけて…
カ:堀になってるプール…?
佐:つか、人様に迷惑かけなかった?
真:話を腰を折るな。…そのぷぅるだか堀だかで水練し、見事な石垣を見つけたので登り始めたらだんだん人が集まってきて騒がれてな、集中出来んから途中で止めて帰ってきた
佐:めちゃくちゃ迷惑かけてんじゃん
カ:…それってプールじゃなくて九段下とか竹橋周辺の…
真:その後、巨大な赤い鉄塔を見つけたので登り始めたら、やはり途中で人が集まってきて騒がれてな、うるさいので飛び下りたらもっと驚かれた
佐:当たり前でしょ
カ:…それって東京タワー…
真:その後、もっと人気のない場所を探していたら大きな川を見つけてな。あれは水が流れているからぷぅるではあるまい。少し泳いだら海に出たので戻ってきた
カ:…それって隅田川…っていうかこの短時間にそこまで!?
真:良い訓練でござった。してカプ●ン殿、話はいかほど進んでおられるのか?
佐:話題変えてるし
カ:え、あ、だ、だいたい決まりました。これが概要で…
真:佐助が把握しておるなら問題ありませぬ
カ:え、見なくていいんですか!?
真:要はお屋形様と某の鍛錬風景なのでござろう?
カ:…それはそうですが
真:それならば問題ござらぬ。カプ●ン殿の良きようにお願い致す
カ:真田さん…
佐:何か問題あったら、俺に知らせてもらえればどうとでも調整しますんで
カ:猿飛さん…
真:敢えて某の希望を言わせて頂ければ、お屋形様の勇姿が拝見出来る内容がより喜ばしい。しかし、あまり口出ししてカプ●ン殿にご迷惑をおかけするのも忍びないので全てお任せ致す所存
カ:あ、ありがとうございます〜っ
真:よろしくお願い致す
カ:こ、こちらこそよろしくお願いします!
佐:…じゃ、話がまとまったところですみませんが、騒ぎが大きくならないうちに帰りますね
カ:え?
佐:さっきのダンナの野外修業風景、もしテレビとかに撮られちゃってたら面倒なので
カ:そ、それはそうですが
佐:もしここに警察が事情聴取とか来たらテキトーにごまかしといて下さい。もちろん"そんな男は来てない"って嘘ついてもらって構わないんでv
カ:えぇえっ!?
佐:大丈夫ですって。普通の人間には一つだって出来ないから、三つとも同一人物の犯罪だとは思われませんって
カ:そういう意味の「大丈夫」っ!?! つか今、犯罪って言いましたよね!?!
真:どこかで悪事が起きたのか佐助?
佐:いーえなんでも
カ:…
佐:それに、さっき言ったことはほとんど武田軍の訓練そのままなんで
カ:…え?
佐:あ、天井は直しといたんで心配しないで下さい
カ:え?さっき嘘って…っ
佐:じゃあお邪魔しますね〜
真:それではカプ●ン殿、世話になり申した。礼をまた後日改めて
カ:えー!?!!!

カ:…

カ:…もしかして逃げられた?



一・二・三章   戻ル