伊:さっき真田の名前が出てきたな、相手は真田にしようぜ!なんたって宿命のライバルだからな
カ:敵役ということですか?
伊:おうよ。なんか問題あっか?
カ:いえ。どんな展開にせよ、真田さんと一度は戦って頂きたいと思っていたので嬉しいです
片:しかしそうなりますと、話の筋を考えるのが一苦労ですな。何しろ政宗様と真田は、顔を合わせた瞬間死闘を始める因縁の仲。戦いに理由など要りません。
しかも全3章となると、「2」でやったように伊達軍が川中島へ乱入して信玄公を破った後、真田と一戦交える、等の物語が必要になってきます
伊:Mum… それもそうだな。話に重みを持たせる意味でも、相手が真田だけじゃ薄っぺらくなっちまう。物語には重厚感も必要だからな
片;さすがです、政宗様…!
伊:ここはやっぱり、魔王のオッサンに出てきてもらうっきゃねぇかな
カ:その人選はどこから…?
伊:あぁ?肩書き「魔王」ってくらいだから悪人だろ?スタイリッシュなヒーローである俺様がブッた斬るにゃ十分過ぎる理由だろーが
カ:そ、そうですね…ゲームは分かりやすい展開が一番ですから
伊:じゃあこうしようぜ。伊達軍と武田軍、それぞれ織田軍を倒すべく本能寺へ向かってる途中で鉢合わせて戦に突入しちまうんだ
片:そこで真田と一騎討ちということですね?
伊:No! そこで真剣勝負しちまうと後が続かねぇ。真田は既に先の戦で手負いになってて、いち早くその不調に気付いた俺様が戦闘中に仏心から寸止めしてやる。「なぜ本気を出さねぇ」って詰め寄るんだ。イカすだろ?
カ:…。なぜ真田さんに怪我をさせる必要が?
伊:Ahh?! だって小十郎のストーリィじゃ俺が手負いだったじゃねぇか。今度は真田を手負いにしてやんなきゃfairじゃねぇぜ
カ:な、なるほど…
伊:…俺の好きにしていいっつったよなぁあ?
カ:も、もちろんです!問題ありません!
伊:Got it !! 次続けるぜ。織田を潰しに来た俺様は、武田も織田に侵攻しているって情報を得る。更に大将・信玄の負傷を聞き、真田の名を聞いて居ても立っても居られなくなり、織田より先に真田を潰そうと決心する。そこでさっきの、真田とのタイマン勝負だ。展開は真田が占拠してる街道奪取イベントくらいでいいだろ。どうだ、小十郎?
片:はっ、問題ないと思われます
伊:真田が殿で死守してる街道に乗り込み、次々と門を突破、最後に真田と一騎討ちして寸止めで矛を収める。…イイじゃねぇか、So cool だぜ俺!
片:寸止めの理由は、織田軍に伊達・真田の両軍の動きを察知され、包囲されてしまったから、というのはどうでしょう?
伊:…伊達軍を挟み撃ちたぁ上等じゃねぇか。いくらでもヤってやンぜ!
片:いえ、物語上の話です
伊:おっとそうだったな
カ:…お二人の会話はゲームと現実の区別が判らないです
伊:俺はたとえ打ち合わせだろうと手は抜かねぇ。臨場感すら錯覚させてみせるぜ!
片:さすがです政宗様!!
伊:それと決めゼリフも必要だよな。俺様らしいクールでスタイリッシュなのが欲しいところだが…どうだ?小十郎
片:は。カプ●ン様、語りが入れられる場面は開始直後と大詰め直前、そして戦闘終了後といった案配でしょうか?
カ:そうですね…戦闘中は戦闘がメインで吹き出しのようにセリフが入るだけなので、印象深い発言を入れるならばその3つの場面になります
片:ではまず開始直後ですが、これから戦を始めるにあたって、全軍にこの戦の意義と心構えを語らねばなりませんな。雄々しく勢いがあり、皆の士気を高めるような内容が肝要かと
伊:野暮言ってんじゃねぇぜ小十郎!もっとシンプルかつダイレクトにハートに響くキャッチが欲しい。そうだろ?
カ:は、はい…ハードの都合上、それほどセリフに時間は当てられませんので ということに
伊:O.K. !! じゃあまず肝心なのが決意表明だ。ダイレクトかつインパクト溢れるセリフだろ…よし!「敵は本能寺」
カ:いえそれ光秀のセリフですから
伊:Shit!…じゃあ「俺が本能寺」
カ:意味が解りません
片:政宗様、略しすぎているのでは?
伊:Ah-hun?…じゃあ「俺と行く本能寺」
カ:パック旅行のキャッチフレーズみたいですね
片:政宗様、単語は合っているのに繋げて文章にしたら間違った英作文といった感がします
伊:ガッデム!めんどくせぇな。じゃあこれだ。

「本能寺へは俺が行く」

どうだ?
カ:は、はい…ドスの利いた低音がスバラシイです…



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