−竹中、別室にてしばらく休憩後−


竹:すみません取り乱してしまいまして。持病のシャクが
カ:シャク!? 竹中さんはシャクではなく結核だったのでは!?
竹:似たようなものですよ。美少年病の範囲内です
カ:吐血してたけど そういうものですか…
竹:そういうものです。さてついに第5章のプレゼンですね。さぁ部長!…って部長ォuoおオ!? 何そんな部屋の隅で導火線編んでるんですか!?
松:フ
竹:フ、じゃないです。まだプレゼンは終わってませんよ!
松:あとはもう勝手にやってくれたまえよ。私は今晩、この導火線を使って宴会で一発爆破芸を…
竹:仕事を途中で放棄しないで下さい部長!まだ最後の大詰めが残ってますよ!
松:ふむ。何があったかな?
竹:大仏殿を炎上させてもろともに爆死という大喜利が残っているじゃないですか
松:ああ、それなら火薬も爆破の手配も完了済だ。本当は闇属性になった片倉君に手ずから大仏殿と伊達君の遺骸に発火してもらいたかったのだが、仕方ない。私自ら大仏殿を道連れにしよう
竹:サラリと部長らしい発言ですが、片倉君を追い詰める最後の手段を棒に振っていいんですか!?
松:私もせっかくだから、片倉君絶体絶命のピンチのお膳立てを考えていたのだが、どうせ助かってしまうんだろう?つまらないじゃないか
カ:当たり前です
竹:いや、でも助かるか否か最後まで判らないと思わせる盛り上げ方が大事じゃないですか!
松:なるほど。助かる望みを抱いた途端に奈落に突き落とすのは楽しいからねぇ
竹:夢を持たせるのも我々の仕事ですよ!
松:ふむ…一理ある。では最終章の仕掛けを説明しようか
カ:お、お願いします
松:怒髪天を突く勢いで乗り込んで来た片倉君を待ち受ける松永軍との戦闘が通常モードになります。途中で人質を少しずつ解放していくと良いでしょう。生かしておいたこと自体不可解ですが、全年齢対象ですからね。人質は半殺しくらいでいいでしょうか
カ:いえ、もっと軽傷で
松:1/3殺し?
カ:もっと軽く
松:1/5殺し?
カ:ちなみに、半殺しの1/5殺しってどんな状態ですか?
松:両手両足の生爪を剥がす程度かな。時が経てば治りますからね、軽傷ですよ
カ:かなり痛そうなんですけど!?
松:しかし人質を取っておいて五体満足で返すなど、恥ずかしくて誰にも自慢出来ませんよ?
カ:そもそも自慢するジャンルじゃないと思いますが
松:判りました。ではちょっとスパンキングプレイをした程度の打撲と出血に留めましょう
竹:松永軍にはその道のプロがいますからねぇ
カ:あ、ありがとうございます
松:人質を解放しながら先へ進んでいく片倉君の前に次々と立ちはだかる敵、と。そうだ竹中君、香炉の説明がまだだったよね?
竹:はい、では僕からさせて頂きます。今回、英雄外伝用に新しいアイテムを考えました。それがこちらの「不死香炉」です
カ:どんな効果があるんですか?
竹:いわゆるドラッグですね。痛覚が麻痺し、怪我をしても戦闘力が落ちない。しかし実際には手傷を負っているので、香炉の効き目が切れた途端に、一気に痛覚が戻って来ます。痛みに耐性がないと悶死しますね
カ:い、痛そうですね
竹:闇属性部の粋を集めて作りました!
松:これは特に竹中君が力を入れてましてね。賞与アップしましたよ、はっはっは
竹:嫌ですよ部長。こんなところで話すことじゃないでしょう
松:そうだったね、すまなかった。はっはっは
カ:…で、この香炉をどうするんですか?
竹:最終章の至る場所に配置し、片倉君の行く手を遮ります。疲労が増しますし、焦れて精神的にも厳しくなるでしょう
松:前章から休みなく突っ走ってきたような勢いですからねぇ
竹:そして、疲労困憊で飛び込んで来たところに構える鉄砲隊の一生掃射!
カ:おお!
竹:そこに間一髪で助けに飛び込む政宗君!
カ:おお!
松:…で、二人とも蜂の巣かい?
カ:えぇえええ?!
竹:すみません部長…僕も個人的にはそうしたいのですが、これは彼等の物語なので耐え忍ぶことにします
松:うむ。素晴らしい英断だ
竹:片倉君のピンチに間一髪で助けに入った政宗君が鉄砲隊の一斉掃射を撃破、二人で大仏殿に乗り込みます
カ:も…盛り上がってきましたね!
竹:オプションでBGMも入れときましょうか。さっき入れられなかったし
カ:素晴らしいです!
竹;そしてついに部長の待つ大仏殿に到着。語りタイムに入ります
松:30分くらい割いていいかね?
カ:…10秒くらいでお願いします
松:伊達軍および片倉君に目を付けた動機、我々の手口、そしてこれからの両軍のあり方、と語る内容は沢山ありますが
竹:10秒では結論しか言えないですよ?
カ:す、すみません許容量の都合上… ということに
竹:悪役たる者、最後の語りでまとめて話すものなのに、残念です
カ:す、すみません戦闘中にも語ってもらえれば 少しはアクが薄まるかも
松:そもそも不思議なのだが、なんでそんな面倒くさい戦い方をしなければならないのかね。全員爆破でいいんじゃないか?
竹:それでは部長も危険な目に遭うのでは…
松:何を言ってるんだ竹中君。私の最期は爆死と決まっている。道連れにするのは大前提として、語り尽くすか尽くさないかが問題なんじゃないか
カ:道連れは止めて下さい…
松:そうか、彼等の話だったね
竹:申し訳ありません、部長。道連れは大仏殿だけでお願いします
松:なんだか私が寂しがりやのようだが…仕方ない。では二人に交互に斬られた後、大仏殿諸共爆破、高笑いとともに炎上といくか。全年齢対象向けな私らしい末路で嬉しいよ
竹:ご立派なお覚悟です



第四章    戻ル    終章